Friday, November 19, 2004

第16 回JBC フォーラム「抗体医薬の現状と未来」

第16 回JBC フォーラム
「抗体医薬の現状と未来」


今回はLegal TalkとしてMorrison & Foerster LLP のPhilip D. Reilly弁護士にバイオ技術の特許取得についてのQ&Aをお願いいたしました。非常に中身の濃いセッションとなりましたが残念ながら時間切れとなりました。日を改めて特許に関するフォーラムを今後行う予定ですが、Philip弁護士も質問を受け付けていただけるそうです(preilly{at}mofo.com)。

本フォーラムは終了致しました。以下、開催時の案内文です。

日程: 2004年11月19日(金)午後6時開場、6時半開始
場所: Morrison & Foerster LLP, Palo Alto office (Building B)
Conference room (enter from main lobby)


皆さん、抗体医薬という言葉を耳にすることが、最近多くなってきたのではないでしょうか。一昔前には、ミサイル療法という言葉も使われていました。抗体は体内で異物除去のための最前線で働くタンパク質であり、抗体(特にモノクローナル抗体)をヒトの疾病の治療に用いる試みは古くからなされています。マウス由来のモノクローナル抗体をヒトに投与するためには、異種タンパク質であるが故の強い抗原性を除去する必要があり、そのために様々な技術が開発されてきました。ヒト型化は、マウス由来のアミノ酸配列を可能な限りヒト由来のものに置き換えることにより、マウス抗体のもつ抗原性をほぼ完全に除去できる技術として知られています。また、ヒトの抗体遺伝子を導入したトランスジェニックマウスや人為的に構築したヒト抗体ライブラリーから、ヒト抗体を直接単離する技術も使用されています。このような手法を用いることにより、抗原性に由来する副作用のほとんどない抗体医薬を開発することは、今や技術的に確立していると言っていいでしょう。アメリカでは現在までに、17種のモノクローナル抗体が医薬品として認可されています。日本においても、抗ガン薬であるハーセプチンやリツキサン、さらには抗ウイルス薬であるシナジス等のモノクローナル抗体が承認され臨床の場で使用されています。このように、モノクローナル抗体は今や医薬品としての大きな一画を占めるようになり、多くの製薬企業やバイオベンチャーが新たな抗体医薬の研究開発に従事しています。さらに最近では抗体エンジニアリングを駆使して、従来より高い抗疾病活性を獲得させた、いわゆる次世代抗体医薬の研究が精力的に進められています。

今回の会合では抗体医薬に焦点を当て、研究開発の歴史から臨床での使用例、さらには今後の抗体ビジネスの展望をカバーするために、次のような話題を提供する予定に
しています。
(1) 抗体医薬の研究開発の歴史
(2) 抗体医薬の臨床使用例
(3) 抗体エンジニアリングによる次世代抗体医薬の開発
(4) 日本における抗体医薬開発の状況

話題提供者
 宮澤亮義(スタンフォード大学)
 赤松謙子(Protein Design Labs, Inc.)
 鶴下直也(Protein Design Labs, Inc.)

抗体医薬に興味のある方、抗体エンジニアリングに興味のある方、抗体ビジネスに興味のある方、さらにはとにかく面白そうな話を聞きたい方の参加をお待ちしています。