Friday, February 11, 2005

第18 回JBC フォーラム 「JBC-法政大学共催: JBCが選ぶ2004年バイオ10大ニュース!」

第18 回JBC フォーラム
「JBC-法政大学共催: JBCが選ぶ2004年バイオ10大ニュース!」


 多数の皆さんのご参加をいただき、若干あわただしくはありましたがオーガナイザーによる各ニュースの解説、そして皆さんのご意見を含めて以下のように昨年一年間のニュースについて順位付けを行いました。

第1位(20)   副作用続くイレッサ、その影響は
第2位(19)   カリフォルニア州、幹細胞研究を強力に支援
第3位(14)   日本の製薬業界再編、山之内&藤沢、大日本&住友
第4位(15)   SFにてBIO2004開催、JBCイベントにも200人超
第5位(10)   RNAi研究、大幅に進展
第6位(9)    ユビキチンシステムにノーベル化学賞
第7位(9)    Vioxx、市場から回収
第8位(8)    アメリカ、インフルエンザワクチン危機
第9位(4)    FDA、多くの薬に警告
第10位(0)   Amgenベイエリアへ、Tularikを買収

トピックはJBCメンバーの意見を元にオーガナイザー側で選択、カッコ内は得票数

 JBCメンバーより集まりましたニュースについて、事前にオーガナイザーの投票によりまず10個に絞りました。当日はオーガナイザーによる各5分間ずつのプレゼンテーション、ディスカッションを行い、最後に参加者全員が一人3タイトルずつに投票(挙手)する事により、順位を決定いたしました。1位と7、9位は同じような話題でしたが、薬の作用がもたらす利益と副作用のもたらす不利益。これまで以上に公正な評価と情報公開が必要になっているようです。さらにこれらの話題では、――
1)SNPの解析、ファーマコジェネティックスなどにより疾患のタイプ分けを進めることによって本当に効く患者さんにだけ投与でき、副作用の影響を減らすことができるようになりつつある。
2)しかし、タイプ分けによって同じ疾患でもごく一部にしか適用できない薬であることがわかった場合、それは結果として予測される売り上げが激減する事を意味している。メーカとしてはそのような薬の開発費用が賄えないのではないか。
3)分子標的医薬が意外な副作用を示している事から、逆にBroadな活性を持つ化合物の利点があるのではないか
4)医薬だけでなく、健康食品、サプリメントの面でもFDAの動向から目が離せない。
――という意見が聞かれました。

 基礎研究においてStem Cell、ユビキチンシステム、RNAiと話題が登っていましたが、やはり注目を集めたのはStem Cellだったようです。Stem Cellに関しては技術的な問題もさることながら、財政難のカリフォルニア州が、3000億円ものBudgetを賄えるのか?という疑問が上がりました。
 第3位の業界再編では人材の流動化、合併する社内での早期退職者の話題などにコメントが集まりました。得意分野を補完しあうための合併と言う事なので将来の製品開発力をもっと見るべきかもしれませんが、現時点では合併による短期的な問題に注目が集まっているようです。今後、この動きが加速するのか?
今回の会場のすぐ近くのSouth San Franciscoでの話題である第10位ですが、意外にも0票。Amgenが欲しかったのはTularikのパイプラインもさることながら、「South San Franciscoの地の利」が欲しかったと言う面もあるようです。

 今回は次回イベントのテストのために、日本出張中のオーガナイザー、八木さんを中心に10名ほどの日本側メンバーをビデオ会議システムによって含めてのイベントでした。上記の投票でも日米、若干数が割れたのが興味深かったです。

さて、2005年はどんなニュースが飛び出すのでしょうか?

(まとめ JBC Webmaster 小柳)

◆以下、開催時の案内文です。
 技術革新、新薬開発、業界再編、制度改革、人事消息。2004年も様々な話題が飛び交い、バイオの世界地図も日々刻々と書き換えられました。今回はトピックを限定せず、JBCメンバーの皆さんに昨年1年間にバイオ業界で起こったニュースのトップ10を選んでいただこうと言うイベントを下記要領で行います。
 みなさん立場が変わればそれぞれの重大なニュースも変わってきます。今回の会ではできるだけ多くの方々にトピックを選んでいただき、昨年1年にバイオ業界で何が起きて何が変わったのか?そしてそれが今年以降にどういう影響を及ぼすのか?それぞれのご意見を伺い、ランキングします。JBCメンバーならではの情報、見識によってどんな話題が出てくるのか請うご期待!
 つきましては2004年に皆さんの印象に残ったバイオ業界重大ニュースとその理由をお寄せ下さい。複数でもかまいません。1月31日まで jbc{at}j-bio.org までお送り下さい。当日ご参加いただけない方の投稿もお待ちしております。もちろん最終結果に関しては後日Websiteで公開します。皆さんの積極的なご参加をお待ちしております。


<日程> 2005年2月11日(金)午後6時開場、6時半開始
6時以降、会場入り口がロックされますので、できるだけ開始時間までにお越し下さい。
<場所> 法政大学アメリカ研究所
800 Airport Blvd. Suite 504
Burlingame, CA 94010
<Map & directions> http://www.huric.org/j-officeLocation.html
<会費> 当日のお弁当費用として$10
<参加登録>
タイトルに "RE:JBC Forum on Feb 11"とご記入の上、jbc{at}j-bio.org までお名前とご所属を添えてお申し込み下さい。
2月6日締め切り。当日のお弁当をご用意するため、RSVPでお願いします。
<その他>「私が選ぶ2004年バイオ重大ニュース!」を募集します。
タイトルに"BioTop10"とご記入の上、jbc{at}j-bio.org までトピックと、それを選ぶ理由を添えてお送り下さい。
1月31日締め切り。参加できない方も投稿お待ちしています。